こんにちは、移住あそび人ハイカーのさにーです。
比良比叡トレイル全山を1泊2日のテント泊でスルーハイクしてきたので、水場やテント場も含め写真たっぷりでレポートします。
(山行日:2025年6月5〜6日)
比叡山坂本から蛇谷ヶ峰への順走は2回歩いているので、今回は蛇谷ヶ峰からの逆走ルートで楽しみました!
比良比叡トレイルに挑戦したい方がいれば、ぜひこの記事を参考にして歩いてみてください。

登山歴13年、山が好きすぎて比良山系の麓に脱サラ移住しました。比良比叡トレイルスルーハイクは3回目。
比良比叡トレイルとは
(知ってるよ!わかってるよー!という方は読み飛ばしてください。)
比良比叡トレイルは、滋賀県大津市の比叡山(848 m)から、比良山系最高峰の武奈ヶ岳(1,214 m)を経て高島市の蛇谷ヶ峰までを縦走するトレイルコース。
距離約50km、累積標高約4,500 mのロングトレイルです。


「歴史×信仰×絶景」が詰まった関西屈指のロングルートで、比叡山パートは「歴史×信仰」を、比良山系パートでは「絶景」を楽しめます。




ハイカーなら数日かけてじっくり、トレイルランナーなら挑戦心をくすぐる一日縦走で、それぞれのスタイルに合わせて楽しめます。
50kmはめちゃ長いので、何回かに分けて歩いたりどこか一部分だけを楽しむのももちろんアリです。
比良比叡トレイルとあわせて、京都一周トレイルや、高島トレイルも人気のロングトレイル。
比良比叡トレイルの水場とテント場
50kmの比良比叡トレイルをテント泊で歩くには、テントを張れる場所や水場の情報がとても大切。
ということで、ざざっと記しておきます。
水場
※(浄)は要浄水器の意味です。
※ 記事本文にも詳しく書いています。
<比良パートの水場>
- 蛇谷ヶ峰の登山口トイレ
- 蛇谷への本格的な登り手前の沢(浄)
- イブルキのコバあたりの沢(浄)
- 八雲ヶ原まわりの沢(浄、イモリ生息)
- 金糞峠を西に少し下りた沢(浄)
- 葛川越と木戸峠の間の沢(浄)
- びわ湖バレイの自販機(営業時間のみ)
- びわ湖バレイのトイレ(営業時間のみ)
- 霊仙山からの激下り後のトラバース道
- 還来神社の境内の水道とトイレ
<比叡パートの水場>
- 比叡パート入ってすぐの沢 (浄)
- 延暦寺釈迦堂そばのトイレ
- 延暦寺境内のトイレや自販機など
テント場(張りやすい場所)
比良比叡トレイルにはテントを張るのにナイスな場所がいくつかあります。
<比良パートのテント場> ※写真あり
- 八雲ヶ原(広々、テン泊のメッカ)
- 北比良峠(広々、びわ湖ビュー)
- 比良岳と木戸峠の登山道(フラットな場所あり)
- 小女郎ヶ池(今回はここに幕営)
<比叡パートのテント場>
横高山は少しスペースあるので張れそうですが、他には良さそうな場所を見当たりませんでした。








トイレ
山中にはトイレは基本的にありません。
でも、「びわ湖バレイ」と「還来神社のそば」にトイレあります。
びわ湖バレイのトイレは営業時間外はたぶん使えないので注意。
還来神社そばのトイレは24時間使えるし、きちんと管理もされているのでキレイでうれしい。(ありがとうございます!)


蛇谷ヶ峰から北比良峠 <1日目前半>
今回は滋賀県高島市の蛇谷ヶ峰からのスタート。
登山口がある「グリーンパーク思い出の森(くつき温泉てんくう)」へは、JR湖西線の安曇川駅から路線バスで移動。
僕は自宅がバス経路の途中にあるので途中乗車ですが。


バスを終点の「朽木学校前バス停」で降りて、目の前にローソンがあるので食料などをゲット。


ここから、登山口のある「グリーンパーク思い出の森(くつき温泉てんくう)」まで30分ほど歩道・車道を歩く。


安曇川がめっちゃきれいで気持ち良い。鮎釣りのメッカです。


水がとてもきれいで、岩から飛び込んだりの川遊びができるスポットもたくさんあります。


「くつき温泉てんくう」脇の駐車場にある蛇谷ヶ峰への登山口に到着。
きれいなトイレもあってうれしい。


ここで大シガイチにチャレンジ中のお姉さんに出会い、気の向くままに行けるところまで(?)ご一緒することに。
埼玉からやってきたこのお姉さん、テン泊装備背負って1泊2日で大津港まで行くとのことですごい脚力…。


トレランの100マイルレース(160km!)を8回走ったことあるらしく、滋賀で開催のLAKE BIWA 100も2回完走したという。
LAKE BIWA100は僕もオフィシャルカメラマンとして撮影させてもらっているので、「たぶんお姉さんのことも撮ってますねー!」なんて話で盛り上がりながらさくさくと進む。
蛇谷への本格的な登りの前には小さな沢が。


この先、武奈ヶ岳を過ぎてイブルキのコバあたりまで水場はありません。
サクサクっと歩いて、登山口から1時間ほどで蛇谷ヶ峰の山頂に到着。
ちょっと霞んでますが、でっかいびわ湖と田園風景が丸見えで気持ちいい。




山頂で少しだけ立ち休憩と補給をして、すぐに先に向かいます。
比良比叡トレイル50kmの行程ではまだまだ序盤の序盤なので。
ここから武奈ヶ岳までの稜線歩き、フカフカトレイルや絶景稜線があってとても本当に気持ち良い。


緑と木漏れ日のトンネル、幸せすぎる。




ハイカーさん一人だけすれ違いましたが、武奈ヶ岳まで他には誰にも会わずほぼ貸切のトレイル。


見えてきました、釣瓶岳の手前のすばらしい稜線。


比良比叡トレイルの中で一番好きな場所かも。
もう少し進んで振り返ると、2時間前にいた蛇谷ヶ峰がどどんと見えます。
目線を右にやるとびわ湖もどどどんと。(写真には写っていませんが)


釣瓶岳は眺望ゼロなのでささっと通り過ぎます。


そして見えてきた、武奈ヶ岳の山頂。


ほとんどの方が逆側の一番メジャーなルート(御殿山ルート)から登ってきます。
蛇谷ヶ峰から3時間で武奈ヶ岳に到着。


武奈ヶ岳の山頂も360度の絶景、のどかな田園風景びわ湖とその向こうの山々もばーん!と見えて最高。
テン泊スポットもルートもたくさんある武奈ヶ岳とその周辺、めっちゃ好きでたぶん30回くらい来てます。




1日目は蓬莱山の少し先の小女郎ヶ池まで行くつもりなので、武奈ヶ岳も少しの立ち休憩だけですぐ出発。
先はまだまだ長い。
武奈ヶ岳山頂から下りていく道、分岐がたくさんで迷いやすいので注意。


今回は大シガイチ挑戦中のお姉さんと一緒なので、大シガイチルートのイブルキのコバと八雲ヶ原を通るルートで進みます。
沢が出てきてとても良い雰囲気。浄水器があれば水汲めますね。


このあたりも山深くて人も少なくて、大好きなエリア。


テント泊のメッカである八雲ヶ原に到着。


週末になるとたくさんのテントで賑わう八雲ヶ原。
池があって雰囲気良いし、広くて地面もフラットだし、最高のテント泊スポット。
でも、トイレや蛇口から水を汲める水場はありません。スマホもほぼ圏外。


比良比叡トレイルを蛇谷ヶ峰からスタートする場合は、1泊目はこの八雲ヶ原かこのあとすぐの北比良峠にテント張るのが良いと思います。
周辺の沢の水は見た目きれいなので汲めますが、八雲ヶ原名物のイモリちゃんが泳いでるので浄水器は必須。僕は浄水器通したらグビグビ飲みます。
八雲ヶ原から15分ほど登り返すと北比良峠に到着。


びわ湖を見下ろせて、広々しているのでここもテント泊にうってうけ。


でも風が強いことも多いです。
あと、北比良峠にもトイレなんてありません。


今回も僕一人だったらたぶん北比良峠でテント張っていたと思います。
が、今回は超健脚なお姉さんも一緒なので、まだまだ先へぐんぐんいきます。
北比良峠から小女郎ヶ池 <1日目後半>
北比良峠からはまた稜線を南下していきます。稜線といっても木々で視界はほぼゼロですが。


金糞峠は、イン谷口の登山口から武奈ヶ岳を目指して登る人たちの一休みスポット。


金糞峠から西側に少し降りると、僕が勝手に「比良の上高地」と呼んでいる最高に気持ち良い沢エリアがあってたっぷり水汲めます。が、さっきいた八雲ヶ原の下流にあたると思うので浄水器ある方が安心。
金糞峠もそのまま越えてずんずん歩く。
このあたりも山が深い感じがして、人にもほとんど会わないので好き。


左手にびわ湖がどーんと見えます。




比良岳を超えたあたり小さな沢が出てきますが、ここの水は浄水器があっても汲むのは少しためらう雰囲気。


木戸峠も越えると、比良比叡トレイル逆走の一番の難所(?)であるびわ湖バレイスキー場のゲレンデ登りが。


ゲレンデ直登ほんときつい、ひーひー悶えながら登りました。
打見山まで登り切ると、そこは観光施設「びわ湖バレイ」。


びわ湖側からロープウェイで登ってきた観光客で賑わっています。
トイレ、自販機、レストランもありますが、営業時間外だと使えないので注意。自販機は水、お茶、アクエリしかありません。
で、少し下ってまた蓬莱山へのゲレンデを直登…。
地獄のゲレンデ直登を登り切ると、蓬莱山からはご褒美の絶景稜線が。ここほんとめちゃくちゃきれい、天国ですか。




このあたり、鹿がめっちゃいます。
この日も鹿の群れがそこら中を走り回っていました。




17時半に今日の幕営地「小女郎ヶ池」に到着。テントを張ってまったりと晩御飯。


1日目の行動時間は9時間、距離26kmでした。
ちなみに、僕のテントはLITEWAYというウクライナのガレージブランドがつくっているピラオムデュオタープ。
ちょっとお値段は張りますが、軽くて広いし、アクアガードジッパーやベンチレーションなど細部まで考え抜かれていてお気に入り。


スルッとした手触りのシルポリという素材も良い感じ。
テントというか、ワンポールタープで床はないので、SOLのエマージェンシーシートをグラウンドシートとして敷いています。
小女郎ヶ池から比叡山坂本 <2日目>
2日目、僕はタイムリミットがあるので、夜中1時半に一足先にお姉さんを置いて一人で出発。
小女郎ヶ池から坂本まではコースタイムで13時間半で距離24km。たぶん僕は8時間ちょっとで歩ききれるかなと。
10時頃までに坂本に下山して昼までに高島市の自宅に帰りたいので、逆算して1時半出発。


誰もいない真っ暗な山を、ヘッデンの明かりのみで進みます。
ナイトハイクもめっちゃ好きなんです。(5月にも一人で六甲全縦を深夜0時半スタートで楽しみました。)


権現山を超えて、霊仙山のほんの手前で西側斜面に折れます。
そこが激下りで踏み跡も薄くわかりにくく、「え、ここ下るんですか?まじですか??」って思うくらい大変。


2年前までは霊仙山からそのまま南の尾根をいくルートでしたが、その道は今は通行止めでルートが変わったようです。


一定間隔で比良比叡トレイルのテープがありますが、夜だと見つけにくいので慎重に探しながら歩きます。
激下りが終わると、急斜面の細いトラバース道に。


トラバース道の途中に水場があります。ここの水は浄水器なくてもいけそうが気がする。知らんけど。


比良パートがやっと終わり、4時頃に還来神社に到着。小女郎ヶ池から2時間半。


還来神社のトイレいつも使わせてもらっています。ほんと助かります。
ちなみに、還来神社そばのここに伊藤園の自販機があります。


ここの会社さんが従業員さんのために設置しているものだと思うので、心の中でご挨拶とお礼を言いながら買わせてもらいましょう。


さぁ、還来神社を出たら次は比叡パート、ゴールまで残り18kmくらい。
4時を過ぎると空がだんだんと明るくなってきて、なんだか一気に安心感が。
太陽って、あかるいって、あたたかいって、ありがたいですね。


比良パートと比べると標高は低い山々ですが、はじめ300mくらい標高を上げるあたりでもうすでに辛い…。
1日目にけっこうペースも距離も頑張ったし、テントでうまく眠れなかったので疲労がどっときてる。


とはいうものの、今回は10時までに下山というタイムリミットもあるのでずんずん進みます。
太陽が登ってきて、めちゃくちゃ気持ち良い幸せな時間。


なんてことのないこういう道も最高ですよね。


途中で一部林道歩きも。




フェンス沿いを歩くここ、フェンスの向こうにびわ湖が見えてちょっと気持ちが楽に。


細かいアップダウンを繰り返しながら、比叡パート最高地点の水井山(793m)に向けて徐々に標高をあげていきます。




水井山も超えて、8時に横高山を通過。


横高山はけっこうすスペースあるしベンチ風の丸太もあるので、テント張って快適に過ごすこともできそうです。
と、比良比叡トレイルマップを後からきちんと確認してみたら、公式ルートでは水井山と横高山は通らずに赤矢印をいくみたい…まぁいいか。


横高山を越えたらあとはもう下り基調、延暦寺の釈迦堂までビクトリーロード的に足取り軽く進めます。
京都の街がどーんと見えたり…


こんな道を小走りしたり…


こんなところを通ったりして…


このトンネルを抜ければもうほぼゴール、延暦寺の境内へと。


そういえば、比叡パートでは誰とも会わなかった気が…。貸し切りなんて贅沢すぎました。
延暦寺の釈迦堂、何度見てもすごい。


さすが1200年以上の歴史、荘厳な雰囲気。


もうほぼゴールと思って余裕ぶっていたら、出ましたよ、最後の難所の延暦寺境内の長い階段道。


いやー最後にこれはしんどい。


大講堂を超えたところの自販機でコーラを買って、一人で乾杯。


プシュー、プハー!!ってやるのほんと最高ですよね。


時間はもう9時半、10時までに下山はちょっと難しそうだけどまぁいいか。
あとは比叡山坂本の登山口に下るだけ。


この道は比叡山ハイキングのメジャールートなので、登ってくる方たくさんとすれ違いました。


大講堂から30分ほど、10時10分に無事に下山。


比良比叡トレイル1泊2日の逆走スルーハイク完了、おつかれさまでした!楽しかったー!!
2日目の歩行時間は8時間15分、距離は24kmでした。


比良比叡トレイル、とても楽しいのでぜひ。
▼ YAMAPの記録から GPSダウンロードできます。
比良比叡トレイル<逆走> 1泊2日全山スルーハイク / さにーさんの水井山・権現山(滋賀県)・地蔵山(滋賀県高島市)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
比良比叡トレイル1泊2日テント泊の装備
興味ある人がいるかわかりませんが、僕の装備一式も記しておきますね。
僕はいわゆるULハイカー寄りの装備で、食料・水(お酒)・カメラ機材抜きで荷物は5kgくらいです。
カメラ機材はめっちゃ重いので、登山に持っていくカメラはできるだけ軽いものをといつもCanonのR8を選んでいます。ボディ内手ぶれ補正は付いてないですが、画質良いのにほんと軽くて小さいのでおすすめです。
ザックは山と道のmini2。北アルプスの2泊3日テント泊なんかもこれでいきます。


靴はアルトラのローンピーク9+かペンタペタラ。近場の日帰りハイクならVivobarefootのプライマストレイルFGで歩きます。
帽子とウインドシェルは、パタゴニアのダックビルキャップとフーディニ・ジャケットをリピートで何度も買っています。
この1〜2年はトレランレースにも出はじめたので、ますます荷物が軽く少なくなってきています。


その他の装備は、もうまとめてこんな感じです。
- カメラ:Canon EOS R8
- レンズ:Canon RF50mm F1.8 STM
- ザック:山と道 mini2
- テント:LITEWAY ピラオムデュオタープ
- 靴:アルトラ ローンピーク 9+
- パンツ:山と道 Light 5-Pocket Pants
- ベースレイヤー(上):山と道 DF Mesh Merino Sleeveless
- レインウェア(上):ティートンブロス フェザーレインフルジップジャケット
- レインウェア(下):モンベル バーサライトパンツ
- ウインドシェル:パタゴニア フーディニジャケット
- ストック:ローカスギア CP3
- 防寒着:パタゴニア ナノパフフーディー
- 帽子:パタゴニア ダックビルキャップ
- 腕時計:COROS PACE3
比良比叡トレイル周辺の登山レポート
比良比叡トレイル50kmはハードル高いなぁ…
という方はこれらもぜひご参考に!日帰りで気軽に楽しめる山もたくさんあります^ ^

